大回り乗車、というのを知って、ちょっとわくわくした。同じ運賃のまま、電車にがたんごとん揺られて、ぐるーっと一日中、乗っていられる。そんな夢みたいな乗り方が、あるらしい!でも…ひとつ気になることが。Suicaでやると、時間制限でエラーになる、なんて噂も、ちらほら聞く。そのへんが引っかかって、自分は、いろいろ調べてみた。
先に、いちばん知りたい答えから。大回り乗車そのものには、はっきりした時間制限は、ない。原則は、その日のうちに出ること。ただ、Suicaを使う場合だけ、ちょっと別の、時間の壁が出てくる。そこさえ押さえれば、安心して楽しめる。
そもそも大回りって?最短運賃で、ぐるっと遠回りできる制度
近郊区間の中なら、運賃は最短経路で計算される
まず、大回りが何なのか。これ、ちゃんとJRが認めてる、れっきとした制度。正式には、大都市近郊区間という、決められたエリアの中だけを乗るときの、運賃の特例。
このエリアの中なら、実際にどんな経路で乗っても、運賃は、いちばん安くなる、最短ルートで計算される。だから、たとえば、隣の駅までの切符やSuicaで入って、東京の近郊をぐるーっと大きく一周して、隣の駅で降りても、払うのは、最短のひと駅分だけ。もともとは、運賃計算をかんたんにするための特例で、それを、わざと遠回りして楽しもう、というのが、大回り乗車。鉄道好きが名づけた、遊びみたいなもの。
隣町までの料金で、わざと遠回りする散歩みたいなもの
イメージしやすく言うと、近所の散歩に近い。すぐ隣の公園に行くのに、あえて、街をぐるっと大回りして、景色を楽しみながら帰ってくる、あの感じ。
払うのは、隣の公園まで、つまり最短ぶんの料金だけ。なのに、歩くルートは、自由に選んでいい。違法でもなんでもなくて、JRのルール上、ちゃんと認められた歩き方。ただし、この散歩には、ひとつだけ約束がある。日が暮れて、門限が来る前、つまり、その日のうちに、家に帰ってくること。ここが、次の時間制限の話に、つながってくる。
時間制限の答え。制度上は当日中、でもSuicaは別
大回りそのものに時間制限はない。当日中に出ればいい
では、本題の時間制限。これがいちばん知りたいところだと思う。大回り乗車という制度には、何時間まで、という明確な制限は、設けられていない。
ルール上、決まっているのは、その乗車券が、当日限り有効、ということ。だから、朝から晩まで、何時間乗っていても、日付が変わる前に、改札を出れば、原則オーケー。半日かけて、ぐるりと一周するような長旅も、当日中に収まっていれば、制度のうえでは、問題ない。なんとも、おおらかな制度。ただ、これが、紙のきっぷなら、の話。Suicaだと、もうひとつ、別のハードルが出てくる。
Suicaは不正防止で、長時間だと改札が止まることも
ここが、Suica大回りの、いちばんの注意点。実は、Suicaには、不正利用を防ぐための、入場してから出るまでの、時間の上限が、こっそり設定されている。
改札に入ってから、出るまでが、あんまり長いと、自動改札が、ぴたっと止まって、開かなくなることがある。目安として、よく言われるのが、五時間から六時間あたり。ただ、この時間は、JRが公表してなくて、鉄道会社や、乗る区間によっても、変わるらしい。三時間くらいなら、まず引っかからない。逆に、十五時間乗っても平気だった、という人もいれば、二時間ちょっとで止められた、という人もいて、実のところ、挙動はバラバラ。だからこそ、長く乗るなら、対策がいる。
きっぷとSuica、どっちが大回り向き?
長丁場なら、終電まで有効なきっぷが無難
じゃあ、長時間の大回りをやるなら、どっちがいいのか。先に言ってしまうと、がっつり長く乗るつもりなら、紙のきっぷのほうが、安心。
というのも、紙のきっぷには、いつまで使えるか、その日の終電までの有効期限が、ちゃんと印字されている。だから、自動改札が、時間で勝手にエラーを出す、ということが、起きにくい。何時間乗ろうが、その日のうちなら、すっと出られる。半日がかりの大旅行を、最初から計画してるなら、Suicaより、きっぷを買っておくほうが、改札で慌てずに済む。
Suicaは手軽だけど、エラーは会社・区間でバラバラ
とはいえ、Suicaが、ダメというわけじゃない。短めの大回りや、二、三時間で収めるなら、Suicaのまま、ぽーんと改札を通れることも多い。
ピッとかざすだけで乗れる手軽さは、やっぱり魅力。実際、Suicaで長時間回っても、何事もなく出られた、という体験談も、たくさんある。ただ、さっき書いたように、出るか出ないかが、会社や区間や、その時々で、読みきれない。手軽さを取るか、確実さを取るか。自分の回るルートと、かける時間で、決めるのがいい。長丁場ならきっぷ、軽めならSuica、と覚えておけば、まず外さない。
守るべきルールと、Suicaならではの注意
一筆書き・途中下車しない・近郊区間から出ない
時間以外にも、大回りには、守らないといけないルールが、いくつかある。これを外すと、ただの乗り越しになって、追加の運賃を取られてしまう。
大事なのは、三つ。まず、同じ駅や、同じ区間を、二度通らない。行きと帰りで、線がクロスしない、一筆書きのルートにする。次に、途中で、改札の外に出ない。一回出たら、そこで精算になって、大回りは、そこで終わり。そして、決められた近郊区間の、外に出ないこと。エリアをはみ出すと、特例が効かなくなって、正規の運賃が、かかってしまう。この三つを、乗る前に、ルートでしっかり確かめておく。
定期券付きは要注意。エラーや無人改札の対処
Suicaならではで、もうひとつ。定期券がついたSuicaは、大回りに、向いてない。定期の区間を外れる乗り方は、そもそもルール外だし、エラーにも、なりやすい。やるなら、定期のついてない、ふつうのSuicaか、きっぷが無難。
もし、改札でエラーが出て、ゲートが開かなくても、慌てなくて大丈夫。有人の改札に行って、大回りしてきました、と伝えれば、駅員さんが、最短運賃で精算して、通してくれる。無人の改札なら、インターホンで事情を話せばいい。やましいことは、何もしてないので、堂々と説明すればオーケー。事前にルートのメモを見せられると、話が早い。
結局、Suica大回りはこう楽しむ
大回り乗車は、ちゃんとしたJRの制度で、ルールさえ守れば、同じ運賃で、一日たっぷり電車旅を楽しめる、面白い遊び。時間制限は、制度としては、当日中に出ればいい、それだけ。
気をつけるのは、Suica特有の、改札の時間の壁。長く回るなら、終電まで有効なきっぷが安心で、Suicaで行くなら、短めに収めるか、エラーが出たら有人改札へ。定期券付きは、避けておく。
隣町までの料金で、街をぐるりと遠回りする散歩。門限、つまりその日のうちに帰ってくることだけ守れば、あとは、がたんごとんと揺られて、のんびり景色を眺めるだけ。次の休みは…地図を片手に、ルートを引いてみるのも、悪くない。
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