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PS2のBBユニットとは?HDDとネットを足した周辺機器の正体

押し入れの奥から、PS2の背中にがっちりくっつく、見慣れない黒い箱が出てきた。BBユニット。今の感覚だと、何これ?ってなる人も多いと思う。でも当時、僕にとってこれは、ゲーム機をインターネットの世界につなぐための、ちょっとした未来の箱だった。

正式には、プレイステーションBBユニット。ひとことで言えば、PS2に、大きな物置と、外の世界への回線を、まとめて増築する周辺機器。なんでそんなものが必要だったのか、順に思い出していく。

目次

BBユニットの正体は、HDDとネットを足す増築パーツ

中身は40GBのHDDと、ネットワークアダプター

箱の正体は、二つの部品の合体。ひとつは、40GBのハードディスク。もうひとつは、インターネットにつなぐためのネットワークアダプター。

当時のPS2は、そのままだと、ディスクを入れて遊ぶだけの機械。データはメモリーカードという小さなカードに、ちまちま保存してた。そこに、40GBという、当時としてはどっしり大容量のHDDが付く。ゲームのデータを、どかっと置いておける物置が、いきなり手に入る。さらにネットワークアダプターで、家のブロードバンド回線につながる。これで、ただのゲーム機が、外とつながるオンライン機に化けた。

BB Navigatorという、専用の管理ソフトがセット

この箱には、もうひとつ大事なものが付いてた。PlayStation BB Navigatorという、専用のソフトが入ったディスク。

これは、サービスを受けるための入口であり、HDDの中身を管理する役目もある。PS2の電源を入れると、本体が立ち上がったあとを追いかけるように、このナビゲーターが起動する。当時を知ってる人には、あの独特の画面が、わりと記憶に残ってるんじゃないかと思う。ちなみに、このソフト、時刻設定が2030年頃までしかできない、なんていう、今となっては妙にエモい仕様もあった。

二つのタイプがあった

初代PS2向けの、PCカードタイプ

ここがちょっとややこしいところで、BBユニット系の機器には、PS2の世代によって、二つの形があった。

ひとつめが、いちばん初期のPS2向け。型番でいうとSCPH-10000番台、あの分厚い初代機だ。この世代には、PCカードの差込口があって、そこにカード型のネットワークアダプターを挿す。HDDは本体の外に、外付けでつなぐかたち。しかもこのタイプ、管理ソフトを入れても、自力では起動してくれなくて、メモリーカードに起動用のファイルを入れる、というひと手間が必要だった。当時から、ちょっと玄人向けの構成。

厚型PS2向けの、本体に内蔵する拡張ベイタイプ

もうひとつが、その後の厚型PS2向け。SCPH-30000番台から50000番台の世代に当たる。

この世代の背中には、拡張ベイという、専用の差込口が用意されてた。ここに、独自の形をしたネットワークアダプターを、ガチャッと差し込む。そして、HDDは外付けじゃなくて、この拡張ベイの中に、本体内蔵というかたちで収まる。管理ソフトを入れれば、あとは勝手に起動してくれるので、PCカードタイプより、ぐっと扱いやすかった。BBユニットを最初から積んだ、スケルトンブルーの本体同梱モデルも売られてた。あの青、覚えてる人もいるはず。

何のためにあったのか

ファイナルファンタジーXIには、HDDが必須だった

じゃあ、何のためにこんな箱を背負わせたのか。いちばん大きかった理由が、オンラインゲーム。なかでも、ファイナルファンタジーXIの存在は、外せない。

このタイトルは、広大なオンラインの世界を、何十時間、何百時間とさまよう作品で、その膨大なデータを動かすのに、HDDが必須だった。メモリーカードじゃ、まるで足りない!だから、ヴァナ・ディールという世界へ旅立つには、まずこのBBユニットを用意するところから…冒険が始まってた。僕も、あの世界へ行きたい一心で、まずこの箱を買った口。あの頃、これを手に入れること自体が、オンラインへのパスポートみたいなものだった。

オンライン対戦や、映像・音楽のブロードバンドサービス

FFXIだけじゃなくて、ほかのオンライン対応ソフトで、世界中とつながって遊ぶのにも使われた。

そして、このユニットが入口になっていたのが、PlayStation BBという、ブロードバンド向けのサービス。ゲームだけじゃなくて、映像や音楽も、ネット経由で楽しめる、という構想だった。今でこそ、テレビでネット動画なんて当たり前だけど、家庭のゲーム機を、常時接続でその入口にする、という発想は、当時としてはかなり先を行っていた。

今、BBユニットはどうなってる

2016年に、オンラインサービスは終わっている

ここは、ちょっとさみしい話。あれだけ未来を感じさせたBBユニットだけど、肝心のオンラインサービスは、もう動いていない。

PlayStation BBのオンラインサービスは、2016年の3月31日をもって、提供を終了した。FFXIのPS2版が遊べたのも、同じ頃まで。つまり今となっては、本来の役目だったオンライン接続の多くは、すでに過去のものになってる。あの頃つないだヴァナ・ディールへの扉は、PS2からは、静かに閉じてしまった。

対応機種と、薄型PS2に挿せない理由、そして中古の今

対応するのは、さっき書いた、PCカード型の初代機と、拡張ベイ型の厚型機まで。注意したいのが、後期に出た、あの薄くなったPS2には、そもそも拡張ベイがない。だから、内蔵型のBBユニットは、物理的に挿せない。薄型はLAN端子こそ最初から付いてたけど、HDDの増設という芸当は、できなかった。

今は、中古ショップやネットのオークションで、ぽつぽつ見かける。レトロゲームのコレクションとして集める人や、当時のHDD対応ソフトをもう一度動かしたい人が、手に取ってる。役目を終えた今でも、当時のPS2を、もう一段深く楽しむための鍵として、ひっそり生き続けてる感じ。

結局、BBユニットは何だったのか

ふり返れば、BBユニットは、PS2に40GBのHDDとネット接続を足して、ただのゲーム機を、オンライン機に変えるための増築パーツだった。FFXIをはじめ、当時のブロードバンドの夢を、リビングのテレビで叶えるための、分厚い入場券。

オンラインサービスが終わった今では、その夢の部分は、もう体験できない。でも、あの黒い箱がPS2の背中にあった時代、確かにゲーム機が、はじめて外の世界とつながった。

押し入れから出てきたこれを、捨てるかどうか…。ちょっと迷うくらいには、あの頃の未来が、まだ詰まってる。

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この記事を書いた人

携帯ショップの店員をしながら、休みの日は気になったデバイスを片っ端から触るのが趣味。スペック表を眺めているだけで一日が終わることもしばしばです。
このブログでは、実際に仕事であった話や自腹で買って使ったガジェットのレビューや、暮らしの中で見つけた小さな便利グッズ、そしてときどき関係ない雑記まで、思いつくままに書いています。

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